【薬学実習】このままで大丈夫?実習前に知っておくべき言葉 

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薬学生
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実習で知らないことが多くて怒られないか心配になる

最低限知っておくべきことって何だろう?

みっちゃん
みっちゃん

実習生はわからなくて当たり前のことがほとんどです。

指導薬剤師の人もそれをわかって指導してくれます

薬学生としての基礎的知識だけ持っていきましょう!

自分の持っている知識で実習に行ってもいいのか心配な人は多いですよね。

「こんな知識も知らないのか!」と怒られるのではないか、あきれられるのではないかと思いますよね。

実習ではわからないことが当たり前で指導薬剤師の先生もそれを理解してくれています。

わからないからと怒ったりすることはありません。安心してください。

しかし、実習生として知っておくと役立つ知識は最低限持っていくとスムーズに始めることができます。

そこで今回は「実習生として知っておくべき言葉」について解説していきます。

実習前の準備するべきものについては「【実習準備】これで完璧!薬学実習前の準備するべきもの一覧」で解説していますので、合わせて読んでみて下さい

服薬指導について

実習では患者さんへの服薬指導を必ず行います

服薬指導は、患者さんとコミュニケーションの取れる唯一の場といっても過言ではありません。

薬剤師になるならその機会を、患者さんに薬を渡すだけで終わらせてはいけません。

服薬指導を行えるようになるために知っておくべき言葉が3つあります。

  • アドヒアランス
  • コンプライアンス
  • ポリファーマシー

実習で服薬指導をスムーズに行うためにこの3つはしっかりと理解しておきましょう。

アドヒアランスとコンプライアンスとは

患者さんの服薬遵守という意味の言葉には、アドヒアランスとコンプライアンスがあります。

アドヒアランスとは、「患者さん自身が積極的に治療に参加していること」をさします。

コンプライアンスとは、「医師の処方に沿って薬を服用すること」を指しています。

この2つの大きな違いは、患者さんの治療に対する能動性にあります。

コンプライスの実現は、患者さんが受け身の体制です。自分から何かをすることがないため自分のしている治療に対して理解していないことが多くなります。

それに比べてアドヒアランスは患者さんが自分の治療方法について医療者に相談する自分から動く体制になります。自分の体の状態、治療を理解して患者と医療者の2人3脚で治療を行います。

アドヒアランスの向上のためには医療者と患者の信頼関係が必要になります。

つまり、コンプライアンスは「医療者に従って行う治療」、アドヒアランスは「医療者と共に行う治療」です。

以前は服薬遵守にはコンプライアンスを使ってましたが、今はアドヒアランスの方を推奨しています。

実習中に服薬指導で患者さんへの聞き取りを行う際に必ず意識しておくべき項目になります。

ポリファーマシーとは

ポリファーマシーとは、害のある必要以上の薬の服用のことです。

薬が増えたことによる有害事象のリスクの増加や服用回数が多いことによる飲み忘れの増加、飲み間違いなどです。

薬の副作用を抑えるために、追加で薬を処方し、その薬の副作用を抑えるためにまた薬を飲むという悪循環になり薬が必要以上に増えていきます。

複数の場所で薬をもらっていて薬の量が把握できない高齢者の方などに多い傾向にあります。

そこで、薬剤師が介入して必要最低限まで薬を減らすことが期待されています。

実習でも、お薬手帳やかかりつけ制度などによる情報の整理をすることがあります。

ジェネリック医薬品

今、ジェネリック医薬品は臨床で採用されることが増えてきています。

そのため、実習でもよく扱うことになるでしょう。

では、皆さんジェネリック医薬品には種類があることは知っていますか?

ジェネリック医薬品の種類には以下の2つがあります。

  • オーソライズドジェネリック(AG)
  • バイオシミラー(BS)

見たことがある、聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。

しかし、きちんと説明できますか? 

基礎的なことなので、実習では薬学部としてその知識は当然あると思っています。

最低限の知識として説明できるようにしておきましょう。

オーソライズドジェネリック(AG)

AGとは、新薬メーカーから許諾を得て、原薬、添加物および製法等が新薬と同一のジェネリック医薬品の事です。

値段は一般的なジェネリックと同じように先発医薬品に比べて安くなっています。

効果や副作用もAGではないジェネリック品に比べて先発品との差が少ないものが多いのが特徴です。

それに加えて、AGの方が医薬品の供給が安定しています

何かしらの問題が起きて薬が現場に届かず患者さんに薬を渡せないなんてことが少なくなります。

利点が多いため、現在AGの市場は拡大しています。今後はAGの種類が増えていくと考えられます。

バイオシミラー(BS)

BSとは、先行バイオ医薬品と同等/同質の品質,安全性及び有効性を有する医薬品として,異なる製造販売業者により開発されたバイオ医薬品のことです。

注射剤やがん治療薬が主になります。

ジェネリック医薬品とは異なりバイオシミラーの有効成分は分子量が大きく,構造が複雑なため,同一性を示すことは難しいです。

そのため,先行バイオ医薬品と品質,安全性,有効性において同等性/同質性を示すことが必要です。

BSは臨床試験も行われているため、デメリットはほぼないといえるでしょう。

そのため、市場も年々拡大傾向となっています。

同等性/同質性とは・・品質特性において類似性が高く,かつ,品質特性に何らかの差異があったとしても,最終製品の安全性や有効性に影響を及ぼさないと科学的に判断できること。

剤形の略称

医療用医薬品は剤形が一般名の後ろについていることがあります。

【般】+「一般的名称」+「剤形」+「含量」

剤形にはいくつかの種類があります。

例えば、腸溶剤や徐放性製剤、口腔内崩壊錠などがあります。

医薬品には略称が記載されています。略称を覚えていないと剤形が分からず添付文書を確認しなくてはいけなくなります。

略称を覚えておいて無駄な手間を減らしましょう。

D・OD錠

D/OD錠とは、Orally Disitegrationの略で口腔内崩壊錠のことです。

口腔内崩壊錠は服用する時に唾液で溶けるため水が必要ないのが特徴です。

そのため、高齢者などに処方されることが多く、近年数が増えています。

例:ベイスンOD錠、タケプロンOD錠、ガスターD錠

L/CR錠

CRとは、Controlled Releaseの略で徐放性製剤のことです。LはLongの略でこれも徐放性製剤です。

徐放性製剤は効果が持続するため飲む回数が減らせるため飲み忘れを防げます。

血中濃度も安定しやすいので、副作用も出にくいことが特徴です。

徐放できるように調節しているため、粉砕したりかみ砕いたりして服用してはいけません。

監査や服薬指導での注意が必要になります。

例:アダラートCR錠、アロトップL、エマベリンL

HD・LD錠

HDとLDは複数の薬を合わせて1つにした配合錠に用いられます。

HDとはHigh Doseの略で配合量が高いものを指し、LDとはLow Doseの略で配合量の低いものを指します。

実習では、取り間違いが多いため気をつけましょう。

処方箋の確認回数を増やしたり、薬棚の指差し確認を行うなどの工夫をしましょう。

例:レザルタス配合錠 LD レザルタス配合錠 HD

まとめ

薬剤師の先生方の考える「知ってて当たり前」の知識というものがあります。その知識をもって実習に向かう必要があります。

「知っていて当たり前の知識」というのは私たちの感覚と先生方の感覚では異なります。先生方が知っていてほしいものも理解して覚えましょう。

  • 服薬指導での心構え:コンプライアンス、アドヒアランス、ポリファーマシー
  • ジェネリック医薬品について:AG、BS
  • 剤形の略称:OD、CR、LD

実習への準備はものだけではありません! 知識も持っていきましょう。

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